春夏秋冬の
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トンボの仲間
(3)
シオカラトンボ・アカネなどトンボ科
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トンボ科 (Lindeniidae)
トンボ亜科 (Lindeniinae)
成熟♂2008.5.21(大分市)
ハラビロトンボ
Lyriothemis pachygastra
(Selys, 1878)
○
分布:北海道南部から鹿児島〜中国・朝鮮半島
○
体長:32〜37mm
○
時期:4月〜9月
小型で腹部が広がっているトンボです。若いときは♂♀とも黄色に黒い紋がありますが、♂は成熟すると黒くなり背面に白い粉がふいて灰青色になります。平地や山麓の水草の多い湿地や浅い池などでみられます。
♀2008.5.17(中津市)
未熟♂2009.5.1(中津市)
♂2011.8月(宮崎県)のび太さん撮影
オオハラビロトンボ
Lyriothemis elegantissima
Selys, 1883
○
分布:九州南部から南北大東・西表島
○
体長:mm
○
時期:
都道府県RDB:宮崎県絶滅危惧TA類(CR)
♂2011.8月(宮崎県)のび太さん撮影
♀2010.7.9(沖縄本島)
成熟♂2008.5.17(中津市)
シオヤトンボ
Orthetrum japonicum japonicum
(Uhler, 1858)
○
分布:北海道から鹿児島県種子島
○
体長:42〜47mm
○
時期:3月〜7月
日本の特産種です。シオカラトンボの仲間でシオカラトンボより一回り小さく、春早くから現れます。若いときは♂♀とも黄色に黒い縞がありますが、♂は成熟すると背面に白い粉をふいて青灰色になります。平地や丘陵地、山地の湿地、水田などでみられます。
♀2009.5.7(庄内町)
成熟♂2007.8.20(宇佐市)
シオカラトンボ
Orthetrum albistylum speciosum
(Uhler, 1858)
○
分布:日本全土〜朝鮮半島・台湾・中国
○
体長:50〜55mm
○
時期:3月〜11月
最もなじみの深いトンボ。未熟♂や♀はムギワラトンボとも呼ばれてます。羽化したばかりの若いオスは、メスと同じ色合いで淡い褐色に黒斑があります。成熟するとオスは体が白粉でおおわれ、灰色っぽくなります。草原、人家周辺でよくみかけます。
♀2008.7.23(中津市)
ハラビロトンボを捕食2012.5.19(大分市)
♀2011.10.7(屋久島)
タイワンシオカラトンボ
Orthetrum glaucum
(Brauer, 1865)
○
分布:鹿児島以南
○
体長:mm
○
時期:4月〜11月
シオカラトンボよりやや小さなトンボ。成熟♂は全身青い粉がふきオオシオカラトンボに似るが、腹部が細い。♀はシオヤトンボ♀に似る。南方系種で暖かい島などに見られるが、局所的で少ない。
成熟♂2008.7.5(大分市)
オオシオカラトンボ
Orthetrum trianglare melania
(Selys, 1883)
○
分布:日本全土〜中国
○
体長:53〜57mm
○
時期:5月〜10月
シオカラトンボとともになじみの深いトンボです。真夏の池や水路など身近な場所でみられます。羽化したては♂♀ともに黄色に黒の斑があります。♂は成熟すると青灰色の粉でおおわれます。
♀2009.8.29(庄内町)
2007.8.5(別府市)
ハラボソトンボ
Orthetrum sabina sabina
(Drury, 1770)
○
分布:九州以南〜東南アジア・南アジア
○
体長:52mm
○
時期:4月〜11月
シオカラトンボ♀に似た感じのトンボ。腹部が極端に細いのが特徴。南方系の種で南西諸島以南では普通に見られる。
ヨツボシトンボ亜科 (Libellulinae)
♀2008.5.17(中津市)
ベッコウトンボ
Libellula angelina
Selys, 1883
○
分布:宮城県から鹿児島県〜中国・朝鮮半島
○
体長:43〜46mm
○
時期:4月〜6月
環境破壊によって全国で減少しているトンボです。♂も♀も成熟すると黒味をおびたチョコレート色になります。若い時は黄色味のある褐色をしています。翅にベッコウ色の斑紋があるのが特徴です。春の短い期間だけ発生します。暖かく見守ってあげないと絶滅しそうなトンボです。
若♂2008.5.17(中津市)
※「種の保存法」により国内希少野生動植物種に指定されてますので、国の許可なき捕獲・殺傷・損傷は禁止です。(1年以下の懲役または百万円以下の罰金)
環境省カテゴリ:絶滅危惧T類(CR+EN)
都道府県RDB:大分県絶滅危惧TA類(CR)
若♂2012.4.29(大分市)
ヨツボシトンボ
Libellula quadrimaculata asahinai
Schmidt,1957
○
分布:日本全土〜ユーラシア大陸・北アフリカ・北アメリカ
○
体長:42〜50mm
○
時期:4月〜7月
ベッコウトンボと同じ仲間で少し似ていますが、翅の紋が違います。色も淡い褐色のままで黒っぽくなりません。日本では南へ行くほど少なくなります。平地や丘陵地の挺水植物の多い湿地、池、沼などでみられます。
♀2008.5.17(中津市)
アオビタイトンボ亜科 (Brachydiplacinae)
成熟♂2008.7.23(中津市)
アオビタイトンボ
Brachydiplax chalybea flavovittata
Ris, 1911
○
分布:九州以南〜台湾・中国南部・フィリピン・マレーシア
○
体長:33mm
○
時期:7月〜
シオヤトンボに似ていますが額が青い小さなトンボです。南方系の種で以前は北大東島・南大東島が知られていましたが、地球温暖化の影響でしょうか近年九州にも分布が広がってきました。
♀2008.9.3(中津市)
♂2010.6.13
ハッチョウトンボ
Nannophya pygmaea
Rambur, 1842
○
分布:本州から九州
○
体長:12mm
○
時期:5月〜9月
1円玉よりもかなり小さな世界最小のトンボです。♂は若いうちは♀のような色をしていますが、成熟すると真っ赤になります。
都道府県RDB:大分県絶滅危惧TA類(CR)
♀2010.6.13
ベニトンボ亜科 (Trithemistinae)
成熟♂2009.9.10(蒲江町)
ベニトンボ
Trithemis aurora
(Burmeister, 1839)
○
分布:四国・九州以南〜台湾・フィリピン・東南アジア・インド
○
体長:35mm
○
時期:6月〜10月
成熟した♂は体色が紫紅色で翅脈が赤くなる綺麗なトンボです。♂の未熟時は♀と同じ体色です。地球温暖化の影響でしょうか近年分布が北上し、九州・四国でもみられるようになりました。
♀2009.10.10(蒲江町)
同左♀2009.10.10(蒲江町)
♂2008.6.5(中津市)
コシアキトンボ
Pseudothemis zonata
(Burmeister, 1839)
○
分布:本州以南〜朝鮮・中国南部・台湾
○
体長:42〜47mm
○
時期:6月〜10月
黒い体に腰だけ白の目立つトンボです。腰は♂が白く、♀では黄色いです。平地や木立に囲まれた池などにみられます。
アカネ亜科 (Sympetrinae)
♂2007.8.20(宇佐市)
コフキトンボ
Deielia phaon
(Selys, 1883)
○
分布:北海道南部以南〜朝鮮半島・台湾・中国
○
体長:38〜47mm
○
時期:5月〜9月
小型のトンボで♂♀とも薄黄色の地に黒い紋がありますが、成熟すると黒い部分が広がり白い粉で全体がおおわれてきます。♂は特に白い粉でおおわれ青白くなります。平地の池、沼でみられます。
♀2008.6.5(中津市)
♂2007.8.20(宇佐市)
ショウジョウトンボ(タイリクショウジョウトンボの本土亜種)
Crocothemis servilia mariannae
Kiauta, 1983
○
分布:(本土亜種は本州以南から口之島)
○
体長:42〜52mm
○
時期:4月〜10月
成熟♂は体全体がきれいな赤色で♀は橙色をしています。足と体の色が同じです。アカネの仲間とは違います。平地から低山地の植物の多い池、沼、湿地、流れの緩やかな水路などでみられます。
♀2007.8.20(宇佐市)
♀2008.9.3(宇佐市)
♂2010.12.28(沖縄本島)
タイリクショウジョウトンボ
Crocothemis servilia servilia
(Drury, 1770)
○
分布:トカラ列島以南〜朝鮮半島・台湾・東南アジア
○
体長:45mm
○
時期:3月〜12月
本土のショウジョウトンボとは亜種関係の為、良く似ています。腹部背側中央に濃い黒条が太く入り、成熟しても消失しないのが特徴です。
♂2009.11.5(中津市)
キトンボ
Sympetrum croceolum
(Selys, 1883)
○
分布:北海道から九州〜朝鮮・中国
○
体長:40〜45mm
○
時期:7月〜12月
体は黄褐色で、翅は橙黄色と透明の部分のあるトンボの仲間。秋に見やすいトンボで、夏に羽化したものが秋になると池等に戻ってきます。局地的分布でどこでも見れる種ではない。
♂2008.10.21(中津市)
オオキトンボ
Sympetrum uniforme
(Selys, 1883)
○
分布:本州・愛媛県・九州北部(局地的)〜朝鮮・旧満州
○
体長:47〜52mm
○
時期:7月〜11月
体は斑のない黄褐色で、翅は全体が橙黄色のトンボです。よく似たキトンボは翅に透明の部分があります。平地の開けた挺水植物の多い池などでみられます。
全国で減少傾向にあるトンボで絶滅危惧種となっています。
環境省カテゴリ:絶滅危惧T類(CR+EN)
都道府県RDB:大分県絶滅危惧U類(VU)
同上♂2008.10.21(中津市)
♀2009.11.5(中津市)
成熟♂2007.9.2(緒方町)
ネキトンボ
Sympetrum speciosum speciosum
Oguma, 1915
○
分布:福島から鹿児島
○
体長:37〜45mm
○
時期:6月〜10月
成熟したオスは全身真っ赤になり、メスは腹の背面が赤くなります。羽の基部は赤橙色で美しいトンボ。山地の池等でよく見られます。
♂2009.7.12(九重町)
ミヤマアカネ
Sympetrum pedemontanum elatum
(Selys, 1872)
○
分布:日本全土〜朝鮮半島
○
体長:35〜39mm
○
時期:6月〜11月
4枚の翅の縁紋の付近に褐色の帯があるきれいなトンボです。♂♀とも体には黒紋がなく、成熟♂は真っ赤に♀は橙褐色になります。山間部から平地にかけての水田、湿地などでみられます。
成熟♂2007.10.21(大分市)
タイリクアカネ
Sympetrum striolatum imitoides
Bartenev, 1919
○
分布:北海道から鹿児島〜朝鮮半島・中国北部
○
体長:42〜48mm
○
時期:5月〜11月
胸の側面には極細い線がありますが、目立ちません。羽全体が黄色味を帯びていますので、他のアカネ類と区別ができます。
2008.8.4(久住町)
アキアカネ
Sympetrum frequens
(Selys, 1883)
○
分布:北海道から九州
○
体長:〜mm
○
時期:6月〜12月
アカネを代表するトンボです。胸の側面にある2本の黒い線のうち前の線は、中央で鋭く尖り気味に切れるのが特徴。成熟♂は腹部のみ赤くなり、前胸部は茶褐色のままです。成熟♀の腹部は茶褐色になり赤くならない。幼虫は植生の多い池・水田などに棲む。
♀2003.10.29(春野町)
ナツアカネ
Sympetrum darwinianum
(Selys, 1883)
○
分布:北海道から鹿児島〜朝鮮半島・台湾・中国
○
体長:33〜40mm
○
時期:6月〜11月
成熟した♂は体全体がきれいな赤色になります。成熟♀の腹部は背面が赤くなるのが特徴。胸の側面にある2本の黒い線のうち前の線は、中央で直角に切れています。幼虫は植生の多い池・沼・水田・湿地等に棲む。
成熟♂2009.10.28(山香町)
成熟♀2009.10.28(山香町)
成熟♂2010.10.10(大分市)
ヒメアカネ
Sympetrum parvulum
(Bartenev, 1912)
○
分布:北海道から九州〜朝鮮半島・中国・ウスリー
○
体長:31〜37mm
○
時期:6月〜12月
マイコアカネと同じくらい小さなアカネです。♂の顔面の額は白くなります。湿地性の為、分布は局所的で、じめっとした明るい草地などで見られます。
成熟♂2008.10.21(中津市)
マイコアカネ
Sympetrum kunckeli
(Selys, 1884)
○
分布:北海道から鹿児島〜朝鮮半島・中国
○
体長:31〜38mm
○
時期:6月〜12月
成熟したオスは腹がきれいな赤色で、顔面の額の部分は青白くなります。その姿が“京都の舞子”のようなのでマイコアカネとなったようです。
♀2007.10.21(大分市)
成熟♂2007.10.2(大分市)
マユタテアカネ
Sympetrum eroticum eroticum
(Selys, 1883)
○
分布:北海道から鹿児島〜朝鮮半島・中国北部
○
体長:31〜40mm
○
時期:6月〜11月
最も普通に見られるアカネの1種です。胸の側面にある2本の線は細く、前の線は途中で切れます。♂の翅は先まで透明だが、♀ではノシメ型もある。また♀ではまれに腹部が赤くなるものもある。
♀2003.7.9(春野町)
♀ノシメ型2007.8.18(久住町)
成熟♂2007.10.21(大分市)
リスアカネ
Sympetrum risi risi
Bartenev, 1914
○
分布:青森から鹿児島〜朝鮮半島・中国北東部
○
体長:35〜43mm
○
時期:6月〜11月
ノシメ斑のあるトンボでは体は小さめです。成熟したオスは腹がきれいな赤色になります。胸の側面にある2本の黒い線のうち前の線は、上まで達しなくて途中で切れます。
成熟♂2009.10.16(大分市)
コノシメトンボ
Sympetrum bacca matutinum
Ris, 1911
○
分布:北海道〜鹿児島・朝鮮半島・中国北東部
○
体長:39〜45mm
○
時期:6月〜11月
成熟したオスは頭から腹まできれいな赤色になります。胸の側面にある2本の黒い線が、上のほうで前の線が後ろの線のほうへ曲がってつながります。
♀2007.10.21(大分市)
♂2010.10.16(大分市)
ノシメトンボ
Sympetrum infuscatum
(Selys, 1883)
○
分布:北海道から鹿児島〜朝鮮半島・中国
○
体長:40〜50mm
○
時期:6月〜11月
成熟したオスは赤っぽい暗褐色になります。胸の側面にある2本の黒い線が上まで達しています。
♀2007.8.21(由布市)
♂2016年(佐賀県)宮崎さん撮影
スナアカネ
Sympetrum fonscolombei
(Selys, 1840)
○
分布:(本州以南に遇産的に飛来)
〜ユーラシア大陸・アフリカ
○
体長:34〜42mm
○
時期:
中国大陸からの遇産種で稀なアカネ。秋に見つかることが多い。長崎県の母崎町では10月上旬に見られる。
♂2017.10.4(野母崎町)
♀2017年7月(大分県)金只さん撮影
♂ 西山様撮影
ナニワトンボ
Sympetrum gracile
Oguma, 1915
○
分布:福井・三重・近畿地方・瀬戸内海周辺等
○
体長:31〜39mm
○
時期:6月〜11月
日本特産種のトンボで♂は青灰色。木立に囲まれている溜池に生息する。
ハネビロトンボ亜科 (Trameinae)
2012.9.1(九重町)
ウスバキトンボ
Pantala flavescens
(Fabricius, 1798)
○
分布:日本全土〜全世界の熱帯・亜熱帯
○
体長:40〜45mm
○
時期:4月〜11月
“盆トンボ”などと呼ばれ親しみのあるトンボです。体全体が薄い褐色で、夏から秋にかけて群れて飛んでいるのをよく見かけます。体の割には軽く筋肉などが少なく、長距離飛行するのに進化しています。南方系のトンボで寒さに弱く、日本の南部のみ越冬できるようですが、詳細は分かっていません。大半の個体は南方からはるばる海上を渡ってきているようです。
2007.8.21(由布市)
2007.8.21(由布市)
2009.10.16(大分市)
ハネビロトンボ
Tramea virginia
(Rambur, 1842)
○
分布:四国・九州の海岸線〜中国南部・台湾・東南アアジア
○
体長:50〜55mm
○
時期:5月〜10月
ウスバキトンボよりやや大きめで、後翅の付け根に黒褐色の紋があります。南方系のトンボでウスバキトンボに混じっているのをたまに見かけます。ほとんどの個体が南方から飛来したもので、定着しているのは少ないようです。
♂2010.8.6(大分市)
チョウトンボ
Rhyothemis fuliginosa fuliginosa
Selys, 1883
○
分布:本州から屋久島〜朝鮮半島・中国
○
体長:33〜40mm
○
時期:6月〜10月
翅が体の割りに大きく、黒い部分が広くチョウのようにみえるトンボです。体は♂♀とも光沢のある黒色をしています。平地や丘陵地の植生が豊かな池でみられます。
2010.7.9(沖縄本島)
オキナワチョウトンボ(ベッコウチョウトンボ)
Rhyothemis variegata imperatrix
Selya, 1887
○
分布:奄美大島以南
○
体長:35〜40mm
○
時期:3月〜11月
黒褐色と黄色い翅のチョウトンボです。翅の斑紋は個体差がある。
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